明治二十八年三月二十七日
（明治二十八年農商務省令第四號）
第一條 狩獵法第一條ニ掲クル各種ノ網ハ䍢罾、投網、霞網、其他ノ張網トシ黐繩ハ流シ黐、張黐縄トシ又擌ハ高擌、千本擌トス
第二條 銃器ノ制限ハ銃砲取締規則ノ定ムル所ニ依ル
第三條 狩獵免状ヲ受ケント欲スル者ハ願書ニ免状ノ種類及住所族籍職業氏名年齢ヲ詳記シ且狩獵法第二十一條ノ處罰ヲ受ケタルコトノ有無及若シ處罰ヲ受ケタルコトアルトキハ其年月日ヲ附記スヘシ
第四條 狩獵免状ノ再渡又ハ書換ヲ請求スルトキハ其手數料ハ登記印紙ヲ以テ納ムルヘシ
前項ノ登記印紙ハ請求証ニ貼付消印スヘシ
第五條 狩獵免状ヲ受ケタル者ニシテ族籍氏名ヲ變換シ又ハ住所ヲ移轉シタルトキハ地方長官（東京府下ハ警視總監以下之ニ傚フ）ニ其移轉ノ地、他ノ管轄廳ニ屬スルトキハ甲乙兩地ノ地方長官ニ三週間以内ニ届出ツヘシ
第六條 禁獵制札ノ建設ヲ要スル者ハ其理由ヲ詳記シ地方長官ニ出願スヘシ
但該建設費ハ出願者ノ負擔トス
第七條 地方長官ニ於テ建設スヘキ禁獵制札ノ雛形左ノ如シ
第八條 共同狩獵地ノ免許ヲ受ケント欲スル者ハ免許期限ヲ定メ其地形面積ヲ記載シタル圖面及其土地ニ於ケル狩獵ノ慣行ヲ詳記シタル書類ヲ願書ニ添付シ地方長官ヲ經由シテ農商務大臣ニ出願スヘシ
免許ノ繼續ヲ出願スルトキ亦同シ
第九條 共同狩獵地ノ免許ヲ受ケント欲スル場所官有ニ屬スルトキハ豫メ管轄官廳ニ願出テ使用ノ許可ヲ受クヘシ若シ其場所他人ノ所有ニ係ルトキハ所有者ノ承諾ヲ受クヘシ
前項ノ許可若クハ承諾ヲ受ケタルトキハ第八條ノ願書ニ其書類ノ寫ヲ添付スヘシ
第十條 共同狩獵地ノ區域ヲ變更セント欲スルトキハ其地形面積及變更ノ區分ヲ明記シタル圖面ヲ願書ニ添付シ地方長官ヲ經由シテ農商務大臣ニ出願スヘシ
第十一條 共同狩獵地ニハ其周圍五十間ヲ超ヘサル距離毎ニ見易キ場所ヲ撰ヒ左ノ雛形ニ據リ木標ヲ建設シ其旨所轄警察官署ニ届出ツヘシ
第十二條 公益ノ爲メ必要ト認ムルトキ又ハ免許人第十一條ノ制限ニ従ハサルトキハ共同狩獵地ノ全部若クハ一部ニ對シテ免許ヲ取消スコトアルヘシ
第十三條 第十一條第十二條ハ狩獵法第二十四條第二項ノ獵區ニモ適用ス
第十四條 左ニ掲クル鳥類ハ捕獲スルコトヲ禁止ス
第十五條 左ニ掲クル鳥類ハサ三月十六日ヨリ十月十四日マテ捕獲スルコトヲ停止ス
第十六條 左ニ掲クル鳥類ハ四月十六日ヨリ八月十四日マテ捕獲スルコトヲ停止ス
第十七條 牝鹿ハ十月一日ヨリ七月十五日マテ牡鹿ハ十月一日ヨリ十一月三十日マテ捕獲スルコトヲ停止ス
第十八條 北海道ニ於テハ第十七條ノ保護期外タリトモ鹿ノ捕獲ヲ停止ス
第十九條 營業ノ爲メ保護鳥獸ヲ飼養スル者ハ捕獲禁止又ハ停止ノ日ヨリ二週日ヲ經過シタル翌日現在ノ名稱及員數ヲ三十日以内ニ所轄警察官署ニ届出ツヘシ
前項ノ鳥獸ニシテ蕃殖又ハ斃死シタルトキハ其年月日及鳥獸ノ名稱員數ヲ三十日以内ニ所轄警察官署ニ届出ツヘシ
第二十條 保護鳥獸ヲ販賣シタルトキハ其買受人ノ住所氏名年月日及鳥獸ノ名稱員數ヲ三十日以内ニ所轄警察官署ニ届出ツヘシ